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エキスパートが解説!TTP・カブリビQ&A一覧


TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)の治療・診断から診療報酬、薬剤まで講演会などで寄せられた質問に、
エキスパートがわかりやすく解説します。

[薬剤、TTP治療、TTP診断] 監修:
松本 雅則 先生 (奈良県立医科大学血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

薬剤(カブリビ)

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

血漿交換期間中にカブリビの投与を忘れた場合は、気づいた時点で速やかに投与してください。なお、血漿交換実施中の2〜3時間は、カブリビの投与を避け※、血漿交換終了後にカブリビを投与することとされています。

血漿交換期間後30日間のカブリビ投与期間中にカブリビの投与を忘れた場合は、投与予定時刻から12時間以内であれば投与することができます。12時間を超えた場合は、投与を1回分省略し、通常のスケジュールに従って次回分から投与してください。

※血漿交換実施中の2〜3時間にカブリビの投与を避ける根拠として、海外第II/III相試験、国内第II/III相試験ではいずれも血漿交換終了から2時間以内(海外第II相試験では30分以内)に皮下投与が行われたことが挙げられます。カブリビの承認された用法及び用量は、以下のとおりです。

成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、本剤の投与初日は、血漿交換前に10mgを静脈内投与し、血漿交換終了後に10mgを皮下投与する。その後の血漿交換期間中は、血漿交換終了後に 1日1回10mgを皮下投与する。血漿交換期間後は、1日1回10mgを30日間皮下投与する。

なお、患者の状態に応じて、血漿交換期間後30日間を超えて本剤の投与を継続することができる。

<投与スケジュール>
 


カブリビ電子化された添付文書2022年12月改訂(第2版)

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

ADAMTS13検査の結果が出ていなくても、後天性TTPが強く疑われる場合は、検査結果を待たずにカブリビを投与してください。ただし、検査の結果、後天性TTPが否定された場合は、速やかに投与を中止してください。

TTP診療ガイド20261) 「IV 後天性TTP 6)治療及びc」、図1 TMAの診断と治療」では、「結果を待たずに治療を開始する必要がある」とされており、またカブリビは第一選択、推奨度1Aとなっています。

国際血栓止血学会の診療ガイドライン2) においても、ADAMTS13検査前の臨床診断で後天性TTPが強く疑われる場合、血漿交換及び免疫抑制薬とともにカブリビの早期投与を考慮することが推奨されています。海外第III相試験3,4)及び国内第II/III相試験5,6) においては、ADAMTS13検査の結果を待たずにカブリビの投与が開始されました。

1) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド 2026. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「血液凝固異常症等に関する研究班」TTPグループ https://ketsuekigyoko.org (2026年6月8日)  
2) Zheng XL, et al. J Thromb Haemost. 2020; 18: 2486-2495.  
3) Scully M, et al. N Engl J Med. 2019, 380: 335-346. [利益相反:本試験はAblynx社の支援により行われた]  
4) 社内資料:海外第III相試験 (HERCULES試験/ALX0681-C301試験) (承認時評価資料)  
5) Miyakawa Y, et al. Int J Hematol. 2023; 117: 366-377. [利益相反:本試験はサノフィの支援により行われた]  
6) 社内資料:国内第II/III相試験 (ALX0681-C202試験) (承認時評価資料)

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026 
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

カブリビは後天性TTPによる死因である微小血栓形成を阻害するという点で、これまでの治療法と全く異なります。

従来の治療では、ADAMTS13の補充やADAMTS13自己抗体の除去を目的とする血漿交換や、自己抗体産生抑制を目的とする免疫抑制薬を用います。カブリビはADAMTS13に対する自己抗体の産生抑制作用を持たないため、血漿交換に加えて副腎皮質ステロイド等の免疫抑制薬と併用する必要があります。
 


社内資料:カブリビの作用機序(CTD2.6.1)(承認申請資料)

1)【RMP資材】カブリビを適正にご使用いただくために「投与方法(p.6)」
2)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド 2026. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「血液凝固異常症に関する研究班」TTPグループ
https://ketsuekigyoko.org (2026年6月8日)

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 輸血内科学講座 教授・輸血部 部長)

カブリビはADAMTS13に対する自己抗体の産生抑制作用を持ちません。したがって、副腎皮質ステロイド等の免疫抑制薬と併用する必要があります。

ちなみにカブリビは、血小板とvWFの直接的な結合を阻害する、これまでにない作用機序を持つ薬剤です。

【RMP資材】カブリビを適正にご使用いただくために「投与方法(p.6)」、詳しくはTTP診療ガイド2026(「Ⅳ 後天性TTP 6)治療、c)カプラシズマブ」をご参照ください。
 


社内資料:カブリビの作用機序 (CTD2.6.1) (承認申請資料)

1) 【RMP資材】カブリビを適正にご使用いただくために「投与方法 (p.6)」
2) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド 2026. 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「血液凝固異常症等に関する研究班」TTPグループ
https://ketsuekigyoko.org(2026年6月8日)

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

国内第Ⅱ/Ⅲ相試験では、カブリビの薬理活性を測る指標としてRICO※(関連QA:Q6)を測定しました。その結果、連日血漿交換期間においてもRICO(VWFと血小板結合の指標)の抑制が認められました。

※RICO(リストセチン・コファクター活性):リストセチン存在下でVWFと血小板が凝集することを利用し、透過度により凝集を評価する。

薬力学:RICO(副次評価項目)(mITT 集団)

mITT 集団における、RICO の平均値(SD)は以下の通りでした。 
 


RICO:リストセチン・コファクター活性

カブリビ®注射用10mg 添付文書
「7. 用法及び用量に関連する注意 7.1 診療ガイドラインなどの最新の情報を参考に、本剤による治療は血漿交換及び適切な免疫抑制薬による標準療法と併用すること」

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

国内第II/III相試験、海外第III相試験のプロトコールに基づいて30日間に設定されました。 
その理由として、連日血漿交換期間終了後30日間は、TTPの再発や臓器障害につながる新たな微小血管内で発生するリスクが高く、承認審査過程において、カブリビの投与継続が必要な期間と認められたことが挙げられます。

カブリビ®注射用10mg インタビューフォーム(2022年12月改訂第3版)、審査報告書(令和4年8月10日)より抜粋・改変

後天性TTPは最初の発症から回復後、次の30日間でTTPが悪化する可能性が50%、将来再発する可能性が30〜50%、TTPの再発が死亡リスクを増大させることが報告されています1)。

標準治療に含まれる副腎皮質ステロイドは連日血漿交換期間中に開始/継続し、連日血漿交換期間後は中止を目的として漸減することで効果が消失すると考えられるため、連日血漿交換期間後のTTPの再発リスクを抑制する治療の必要性が高くなります。

そのため、連日血漿交換期間後30日間はTTPの再発や臓器障害につながる新たな微小血管内における血小板血栓が発生するリスクが高く、本剤の投与継続が必要な期間と考え、国内外の臨床試験において、連日血漿交換期間に加えて連日血漿交換期間後30日間はカブリビを投与することとされました。

1) Masias C, et al. Am J Hematol. 2018; 93: E73-75.

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026 
 

監修:松本 雅則 先生(奈良県立医科大学 血液内科学講座 教授・輸血部 部長)

ADAMTS13検査の結果が出る前のカブリビ処方については、後天性TTPが否定された場合でも保険請求できます。 
ただし、検査の結果、後天性TTPが否定された場合は、速やかに投与を中止してください。

TTP診療ガイド20261)「Ⅳ 後天性TTP 6)治療 A.急性期」にも、「なお、カプラシズマブの投与開始に関してADAMTS13活性著減を確認する前に開始可能であるが、活性が10%以上であることが確認されTTPが否定された場合は速やかに中止すべきである。」と記載されています。

保険審査の過程で疑義照会があった場合など、お困りの際は私までご相談ください。

1) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)診療ガイド 2026. 厚生労働科学研究費補助金 
難治性疾患政策研究事業「血液凝固異常症等に関する研究班」TTPグループ 
https://ketsuekigyoko.org (2026年6月8日)

2026年8月作成 MAT-JP-2605124-1.0-08/2026
 

2026年8月作成 MAT-JP-2605499-1.0-08/2026